脊椎・側弯センター
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脊椎・側弯センターの特色
1. 受診当日の迅速な画像診断(MRI)と治療
痛みや麻痺を抱える多くの脊椎疾患の患者さんにとって何度も通院することは、心身の疲弊をもたらし、更に治療の遅れに繋がって患者さんとご家族の大きなご負担になります。 当院ではその点に十分に配慮して、受診当日にMRIを含む必要な検査をすべて行い、それに基づき迅速な診断と治療(ブロック注射を含む)を開始します(詳しくは疾患の治療方針"をご参照下さい) 。 手術治療が必要と判断された場合には手術に向けて必要な術前検査を行いますが、心臓機能のチェックを含め受診当日に検査を完了します。術前検査のために何度も通院する必要はありません。
2. 内科専門医による全身状態の管理
保存的治療、手術治療ともに全身状態評価と管理をしっかり行うことが重要です。当院では循環器疾患の急性期治療を積極的に行っており(東京都CCUネットワークに加盟)、24時間365日内科的疾患に対処可能な体制が整っています。心臓に持病をお持ちの患者様やご高齢の患者様、内科的疾患の持病をお持ちの患者様にも安心して治療を受けていただけます。
3. 継続性のある側弯症の治療
装具治療の開始と終了の時期、手術の適応やタイミングなど個人の状況に応じた柔軟性を持って対応することが重要です。そのためには側弯症を専門として数多くの治療経験がある医師が継続して診療する必要があります。当院では日本側弯症学会評議員、世界側弯症学会(scoliosis research society)フェロ―である米澤医師が責任持って診療に当たります。具体的な治療方針につきましては"疾患の治療方針"をご参照下さい 。
対象となる症状と主な疾患
腰・首・背中の痛み、手足のしびれや痛み、歩行障害、上下肢の筋力低下(力が入らない)などの症状です。 取り扱う主な疾患:腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎分離症、頚椎症、後縦靭帯骨化症、脊柱側弯症(思春期特発性側弯症、成人脊柱変形)、脊椎圧迫(椎体)骨折他
手術法の選択と設備
最小侵襲手術から変形矯正手術まであらゆる疾患に対応し、病状と患者様のご要望に応じて適切な手術方法をご提案いたします。ナビゲーションシステムを含む最新の医療機器を導入し、設備面でも万全の体制が敷かれています(院内設備の項を参照下さい)。
担当医紹介
- 主な経歴
- 群馬大学医学部卒業
- 順天堂大学整形外科講師(脊椎診療部門)
- 順天堂大学整形外科准教授(脊椎診療部門)
- Texas Scottish Rite Hospital留学
- 参宮橋脊椎外科病院副院長
- 資格
- 日本整形外科学会専門医
- 日本脊椎脊髄病学会指導医
- 日本整形外科学会脊椎病専門医
- 日本脊髄外科専門医
- 所属学会
- 日本脊椎脊髄学会評議員
- 日本脊椎脊髄手術手技学会評議員
- 日本脊椎・脊髄神経手術手技学会評議員
- 日本脊椎インストゥルメンテーション学会評議員
- 日本側弯症学会評議員
- Scoliosis research society active fellow
- Cervical spine research society membership
疾患の治療方針
#脊椎圧迫骨折
高齢者が腰背部の痛みを訴えた場合に、一番多い原因が圧迫骨折です。骨粗鬆症が強い場合は、転倒など思い当たる原因がなくとも、自然に背骨がつぶれる(骨折する)こともめずらしくありません。痛みが強く動けない場合は、1週間から3週間程度の臥床が必要になります。痛みが落ち着いた時点でコルセットを着用して離床しますが、強い痛みが続く場合は経皮的椎体形成術(BKP)(バルーンで椎体を膨らませてセメント注入する方法)を選択する場合があります。この手術は傷が小さく(約1cm)、手術後には痛みがなくなって動けるようになります。また、手術翌日には退院が可能で、長期間入院する必要がなく、通常の日常生活に早期に復帰できることがメリットです。
経皮的椎体形成術(BKP)
手術前
手術後
#腰椎椎間板ヘルニア
背骨と背骨の間にあるクッションの役割をしているのが椎間板です。これは硬い線維輪とその中にある柔らかい髄核から成り、髄核が線維輪を破って出てきたものがヘルニアです。最初は腰痛を起こすことが多く、髄核が完全に出ると神経に当たり、神経の走行に沿って痛みが生じます。下位腰椎に発生した椎間板ヘルニアでは臀部から下肢への放散する痛みが、上位腰椎に発生した椎間板ヘルニアでは大腿前面に放散する痛みが起こります。
安静、内服、ブロック注射などの治療(保存的治療)を行いますが、痛みが改善しない場合は手術治療(内視鏡下椎間板切除術)を選択します。一般的には、麻痺がある場合や3週間の保存的治療で治らなければ手術とされていますが、痛みが強い場合は3週間も待てないこともあり、早めに手術に踏み切ることもあります。
内視鏡下椎間板切除術



腰部脊柱管狭窄症(脊椎の不安定性なし)
臀部や下肢の運動・感覚機能や排尿・排便などを支配する神経が、腰椎レベルの脊柱管が狭窄することによって圧迫され、下肢の痛みや痺れ・筋力低下などの症状が出ます。連続して歩けなくなる(跛行)ことも特徴です。投薬、ブロック注射などの保存的治療で、十分な症状の改善が得られない場合は、手術により症状(特に下肢痛や跛行)の改善を目指します。
- 1. 内視鏡下椎弓切除術
- 背中を約2センチ程度切開して筋肉をよけ内視鏡を挿入し、骨(椎弓)と黄色靭帯を切除し圧迫されている神経を除圧します。
術前
術後 - 2. 棘突起縦割式椎弓切除術
- 棘突起を正中で縦割し骨(椎弓)と黄色靭帯を切除し圧迫されている神経を除圧します。この手術は筋肉を温存できるため、通常の椎弓切除術より低侵襲の手術になります。
#腰椎すべり症
症状は腰部脊柱管狭窄症と同様で、腰痛、下肢の痛み・しびれが生じます。腰部脊柱管狭窄症に腰椎の“ずれ”が加わって脊椎が不安定な状態です。投薬、ブロック注射などの保存的治療で、十分な症状の改善が得られない場合は、手術を行います。
腰椎が“ずれて”不安定な状態ですので、神経の圧迫を取り除くだけでなく、背骨を安定化させる手術(固定術)が必要になります。手術法は後方からアプローチする後方椎体間固定術と横からアプローチする側方椎体間固定術の2つの方法があります。どちらの治療法を選択するかについては、症状、体形、筋肉や血管の走行などから判断します。
- 1. 低侵襲経椎間孔侵入後方椎体間固定術(MIS-TLIF)
- 腰椎の後方から神経を圧迫している部分を切除した後、ずれた背骨の間にケージと呼ばれる人工物と切除した自分の骨を挿入し背骨にスクリューを入れてロッドと連結して背骨が動かないように安定させます。最新のナビゲーションシステムを用いて、傷を最小にしてスクリューを挿入します。

術前 
術後 
術前 
術後 
術前 
術後 - 2. 側方椎体間固定術
- 側腹部(脇腹)から小さな皮切で背骨の間にケージを挿入します。後方からケージを入れる場合(MIS-TLIF)は、神経をよけて神経の前方にケージをいれることになりますが、この方法だと神経をよける必要がなく、直接、背骨に到達できるため出血量が少なくなります。ケージを入れてずれた背骨と背骨の間が広がると、脊柱管も広がり、間接除圧が期待されます。最後に、後方から背骨にスクリューを入れてロッドと連結して背骨が動かないように安定させます。

#頚椎症性脊髄症、頸椎後縦靭帯骨化症
頚部から上肢が痛む、しびれる、転倒しやすくなった、歩行時に足がつっかかる、物をつかんでも落とすようになった、はしが使いにくくなったといった症状がある場合は頸椎レベルでの脊髄の圧迫が原因となっていることがあります。脊髄の圧迫は頚椎の変形や椎間板の膨隆(頚椎症性脊髄症)や、後縦靱帯が変化したできた骨(頸椎後縦靭帯骨化症)によって起こります。上下肢に症状がでることが多いですが、下肢症状(歩行障害)だけのケースもあります。症状が進行性の場合は手術が必要になります。手術は椎弓形成術(脊柱管を広げる手術)が行われることが多く、不安定性がある場合は固定術を追加します。 椎弓形成術 神経の通り道を広げる手術です。脊柱管の後方にある椎弓の両側に溝を掘り片側を切り離し、椎弓を持ち上げてプレートで固定します。
椎弓形成術(ミニプレートで固定)
椎弓形成術+固定術
頚椎後縦靭帯骨化症

術前
術後
#脊柱側弯症
- 1. 思春期特発性側弯症
- 側弯症角度(以下コブ角)が25度までは経過観察、25度を超え成長期が残っている場合は成長期が終了するまで装具治療を行ないます。装身具治療を行なってもコブ角が45度を超えた場合は手術が必要になります。
14歳女性 
17歳女性 
- 2. 遺残性特発性側弯症
- 成長期が終了した後にコブ角45度を超える変形が残った場合は10年で平均10度(1年に1度)進行するので、しかるべき時期に手術を行う必要があります。進行は緩やかなので手術の時期は個々のライフプランを考えて検討することになります。結婚して出産後ひと段落してから手術を受ける方、仕事で休みがもらいやすい時期など手術の時期は様々です。
35歳女性 
29歳女性 

- 3. 成人脊柱変形
- 60歳以上で胸腰椎の変形が進行する場合があります。腰背部痛が強く、日常生活が営めない場合に変形矯正手術を行います。どんなに強い痛みがあってもリハビリテーションを行うだけで症状が軽快する場合がほとんどですので、手術を焦る必要はありません。手術は胸腰椎から骨盤までの固定が必要になるため一生、腰を曲げることができなくなります。その結果、自分で靴下がはけなくなったり、爪が切れなくなることがあります。手術のメリットとデメリットについて詳しい説明を受けてすべて納得の上、受けていただく手術だと考えています。
80歳女性 
- 4. 脊柱側弯症の術式選択
- 手術法は体の後方からの矯正(後方矯正固定術)が基本ですが、病状によっては前方からの矯正(前方矯正固定術)、骨切り術との組み合わせなど、最適な手術方法を選択して治療にあたります。変形した部分の背骨をまっすぐにすることはもちろんですが、肩の高さに左右差がないバランスのいい矯正が必要になります。

